駅広場に面した五角形の敷地に建つテナントビル。敷地の形を滑らかにトレースした曲線の平面形からくる歪んだ外形が特徴である。遠景から近景までの見え方が段階的に変化するだけでなく、見る方向によってモナリザのように常にこちらを向きながらも、微妙に表情が変化する。このような小規模ビルのファサードは、表層というより内部空間と密接な関係であり、市松状に交互になった開口部の奥行き感のずれによって、広場にポンと差し出された薄いフラットスラブの床面が、街とよりダイレクトな関係となっている。

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​東京都調布市/テナントビル/411㎡​/S造 4階建

掲載誌:新建築2009年5月号